かわいい戦争
わたし、謝られるようなことしたっけ?
……むしろ謝らなきゃいけないことしか思いつかない。
「わたしはあなたたち家族に、取り返しのつかないひどいことを……」
あぁ、またそのことか。
「ごめんなさ……」
「ストップ!ストップです、リンカさん!」
「でも……っ」
「さっきも言いましたよね?わたしに謝られても困ります」
懺悔されても、お互い苦しいだけ。
ずっと苦しむのは嫌だ。
それはリンカさんも同じでしょ?
「わたしが許しても、リンカさんの後悔がなくなるわけじゃないでしょう?謝りたいなら謝るべき人に謝ってください。少なくともわたしへの懺悔は、償いとは違います」
そりゃわたしだって、リンカさんの罪を知ったとき、許せなくて憎んだ。
だけど事実を知ったからって、今が変わるわけじゃない。
罪はリンカさんのもので
わたしにはどうにもできないもの。
だったらわたしは今在る幸せを信じるしかない。
わたしは家族が好きで、家族もわたしを愛してくれてるなら、それでいい。
――『どうして!あたしは独りなのに、どうしてよ……!』
璃汰もきっとそうだった。
誰かに愛されたいだけだった。
だって独りぼっちは虚しいから。