かわいい戦争
こういうとき、なんて言えばいいんだろう。
どう言えばわたしの想いをありのまま伝えられる?
どうしたら未來くんを心から笑顔にできる?
「み、未來くんも、かわいいよ!」
ぐるぐる廻る思考回路を追い越して、衝動的に発していた。
鳩が豆鉄砲を食ったような
目の前の双眼に
今ありありと映ってるのは、わたしの必死な顔。
「それに優しくて、紳士的で、思いやりがあって、責任感が強くて、視野が広くて、かっこよくて……」
「ちょちょちょーっ!なんで急に褒めまくってんの!?」
まだまだあるんだけどな。
未來くんのいいところ。
全力でストップをかける未來くんは、焦りながら耳たぶを赤らめていた。
ほら。
そういうところ。
すごくかわいい。
「う、嬉しいけどさぁ……」
「嬉しいよね!?」
「……う、うん。で、でも恥ず……」
「わたしも未來くんにかわいいって言われると嬉しかったよ!素直に受け取れなかったけど……でも、嬉しかったの!本当に嬉しかった!」
一歩近づいて前のめりになる。
未來くんの目がさらに丸くなった。
「悪く言うより、嘘でも本当でも褒めるほうが断然いいに決まってる!」