かわいい戦争
「……海鈴ちゃん?」
「っ!!?!!?」
わ、わたし……!!
ためらいがちに覗き込んでくる未來くんを直視できなくて、反射的に俯いた。
たぶん今のわたしの顔は、未來くんに負けず劣らず赤くなってる。
や、やってしまった!
口が滑った!!
今打ち明けるつもりじゃなかったのに。
無意識に、ポロッと。
気づいたら、こぼれてた。
「ねぇ、どういう意味?」
「い、意味、は……えっと、だからその……っ」
今ならまだごまかせる?
チラッと片目だけ上へ向けてみる。
照れと戸惑いを混ぜたみたいな赤面が窺えて、ドキドキが最高潮に達する。
今まで見たことのない顔、しないでよ。
また好きになっちゃうでしょ。
ごまかすなんて、できっこない。
「そ、そのまんまの意味、です!!」
もう限界。
やけになって叫んだあと、ダッシュでお店の中に戻った。
幸珀さんたちに呼び留められたが、そのまま階段を上がって自分の部屋へ逃げ帰った。
「……わたしの、バカ」
いろんな感情がドッと押し寄せてむせ返りそう。
ドスドス!とクッションに八つ当たりしてるわたしとは裏腹に
外では未來くんがやわくはにかんでいた。