かわいい戦争
「……わたしのせい、なら……!」
璃汰が誤解されたまま黙って見てるなんて、わたしにはできない。
わたしの自分勝手な行動が原因だったら、なおさらわたしが何とかしなくちゃ。
わたしが今まで努力して”かわいい”を作ってきたのは、こういうときのため。
璃汰を守るためだ!
くよくよしてる暇はない。
とにかく璃汰に連絡してみよう。
――プルルル、プルルル。
5コール目で繋がった。
『もしもし』
「もしもし、璃汰!?大丈夫!?」
『……ニュースを見たのね』
「ごめん。ごめんね。わたしのせいで……」
『海鈴のせいじゃないわ。実際にあたしもあの店に行ったのは事実だし、あいつが働いてるんだからいずれはこうなるって予想はしてたわ。でもまさかあの盗撮ストーカーの件まで記事になるなんてね。しかも事実をねじ曲げ、誇張した書き方……反吐が出るわ』
電話越しの声は少しイラついてる程度で、あまり悲しんではいなかった。
もっと傷ついてると思ったのに、そうでもないのかな。
それともまた隠してる?
「ドラマの降板はもうどうにもならないの?」
『制作側が決めたことだし、覆すのは難しいでしょうね。あたしの代わりにあのまろんが出演なんて……皮肉な縁ね』
「璃汰……?」
『……なんでもないわ』
「じ、事務所のほうはどうなの?」
『そっちは問題ないわ。事情を説明したらちゃんと理解してくれた。ただ事態が鎮まるまでは行動は慎むようにですって。慎むも何も半監禁状態じゃどうすることもできないじゃない』
「え!?か、監禁!?」