かわいい戦争
プツリ。
切られた電話が愛しい。
信頼してくれてるんだ。
璃汰の居場所になれてるって、自惚れてもいい?
《リタさんは3年前にインディーズアイドルグループの「オンナノコ*ソルジャー」に所属し……》
つけっぱなしだったテレビでは、リタのプロフィールを公開していた。
こんな風にリタを紹介してほしくない!
ムッとして即座にテレビを消した。
リタを取り上げるなら、もっと素敵な内容のときにしてほしいよ!!
「海鈴」
突然背後から呼ばれてドキッとする。
振り返れば、お父さんとお母さんがいた。
「な、な、なんで!?」
お店は!?
「下まで声が響いてたわよ」
「嘘!」
そんな声出してた!?
じゃあいろいろと聞かれたんじゃ……?
お父さんとお母さんは、璃汰のことどう思ってるんだろう。
わたしと璃汰の関係をあんまりよく思ってないのかな。
気づかないうちに家族を傷つけていたらどうしよう。
「わ、わたし、今日お手伝いできな……」
「大丈夫だ」
「わかってるわ」
右肩にお父さんんの手。
左肩にお母さんの手。
優しく触れたところが、あったかい。