かわいい戦争



……あれ?


目的地の方面へ走ってる途中。

前方から4つの影が接近してくる。



「あっ!」



彼らもわたしに気づいた。


条件反射で駆け寄る。




「海鈴ちゃん、偶然だね~」


「出前か?」


「カイリー、やっぱり、たまり場来る気になったの?」


「は?邪魔だっつったろ」




未来くん、勇祐くん、ひつじくん、天兒さん……なんで皆が……。


あ、そうだ、ここは街の西側。

神雷の洋館もこちら側にある。


皆は洋館に行く途中なんだ。



でもわたしが未來くんたちと下駄箱で喋ってたのは少し前だよ?



「皆、下校するの遅いね。何かあったの?」



まさかリタのニュースのせいで、皆にもマスコミが押し寄せたり……?



「こいつを待ってたら遅くなったんだよ」



天兒さんが親指で指した「こいつ」は、隣の勇祐くん。




「だから何度も謝っただろ!?」


「時間は有限なんだ。気をつけろ」


「……そうだよな、時間って限られてるもんな。お前に謝る時間なんか無駄だよな」


「なんでそーなんだよ。逆だろ」


「何が逆なんだよ。言ってみろ!」




勇祐くんだけ桜彩学園だから、いつも待ち合わせして帰ってるのかな。

仲良しだな。

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