かわいい戦争
だけど神雷の上層部が固まって行動するのは、他の不良への牽制や治安維持につながるんだって、班の女の子が話していたっけ。
確かに4人揃うと迫力凄まじいもんなぁ……。
「ゆうたん、なんで遅くなったの?」
「じいちゃん……理事長に呼び出されたんだよ。ほら、璃汰のニュースがあっただろ?そのことを心配してたらしくてさ」
璃汰も桜彩学園の生徒。
家だけでなく学校にも、リタの記事関連の電話や押しかけがたくさんあったかもしれない。
璃汰がこのことを知ったら、また自分を責めてしまうのだろうか。
「海鈴ちゃんも璃汰ちゃんのニュース、もう知ってる?」
「……うん」
「璃汰ちゃん今日学校休んでたらしーけど、何か聞いてる?」
「さっき電話したら、家の周りにマスコミが大勢来てて、外出できない状態なんだって」
皆、驚いていた。
今回璃汰は神雷にも連絡していなかったんだ。
わたしが電話しなかったら、本当に独りで持ちこたえようとしていたの?
わたしと神雷もマスコミに狙われる可能性があるから?
誰にも頼らず、迷惑をかけず。
四面楚歌の中ただじっとして?
それじゃあ何も守れないじゃんか。
「だから今から助けに行ってくる!」