かわいい戦争
あーあ、いつものが始まってしまった。
勇祐くん、説得しなくたっていいのに。
無理に協力させたくはないし。
「……あー、そうかよ。いいんだな?本当に行かなくて」
「行かねーって何度言やわかんだ。聴覚までやられたのか?そろそろやべーな」
「あっそ。なら俺ももう何も言わねぇよ。てっきり利希の好きな『おもしれー』ことが見れそうだから行くと思ったんだけどな、そっかそっか行かねぇのか」
「……は?」
「マスコミの裏事情とか、璃汰の『おもしれー』顔とか、まあいろいろ生で!直で!見れるだろうけど!!……利希がそこまで行きたくねぇならしょうがねぇよな。俺たちだけで行くか」
「ちょっと待て」
勇祐くんがニヤリとした。
確信犯だ。
「やっぱ俺も行く」
意見変わるの早すぎません!?
「いやいやいいって!たまり場でくつろぎてぇんだろ?」
「あいつの弱った姿とか、記者の底意地わりー顔とか拝めんだろ?ならそっち行くに決まってんじゃん。おもしれーもん見るほうが断然気分上がるしな」
「……お前ってとことん単純で、最低だよな」
な、なんだか勇祐くん、天兒さんの扱い上手くなったね。
それとも天兒さんがちょろくなった?