かわいい戦争
「あ、もしもし?お疲れさまでーす」
「……え、未來くん?」
「剛さんに繋がったよ~」
行動早っ!!
いつの間に電話かけてたの!?
未來くんはスピーカー状態にして、皆が見れるようにスマホを中心に持ってきた。
『もしもし?いきなり何だ』
「急にすみません!わたし……」
『……海鈴、つったっけ?なんで君が……』
奥のほうから『えっ!』と高い声が響いた。
『海鈴ちゃん!?』
「あ、はい。幸珀さん、ですよね?」
『昨日振りだね!』
「どうして幸珀さんが……」
『仕事帰りに剛の仕事場に遊びに来たの。案外快適だよ、ここ。今度海鈴ちゃんもおいでよ』
何か返そうとしたら、『スマホ奪んな』『油断してる剛が悪い』と賑やかな口論が始まった。
お2人も相変わらずですね。
『で、何か用か?』
あ、持ち主の元にスマホが戻ってきたみたい。
「車を探せ」
『利希もいんのか?』
「いいから車を探せっつってんだよ」
『どんな車だ。詳しく言え』
タメ口だ敬語だとか、理由は何だとか。
頼まれたこと以外注意したり深掘りしたりしてこないのは、探偵だからなのか、はたまた元副総長だからなのか。
天兒さんも車種やナンバーだけを淡々と答えてるあたり、2人の……いや神雷のチームワークは代々受け継がれているものだと感心せざるを得ない。