かわいい戦争
そっかハッキング、へぇ……って、え!?ハッキング!?
それってやっちゃいけないことなんじゃ!?
『……防犯カメラには映ってねぇな』
「は?能無しかよ」
『防犯カメラには、つったろうが。焦んじゃねぇよ』
動揺を隠せずにいる間にも、剛さんと天兒さんが辛辣な会話を繰り広げていく。
『防犯カメラに映ってねぇとなると……』
「カメラのない場所にいる、ってことですかね~?」
『そうだろうな』
防犯カメラが設置されていない場所で思いつくのは、一般人は滅多に行かない治安の悪い危険なところ。
この神雷の洋館がある領域や、東と西にある倉庫付近などが当てはまる。
『お、あったあった』
「カメラには映ってねぇんじゃなかったのかよ」
『だから防犯カメラにはな。今見てんのは、防犯カメラのねぇとこに俺が勝手に取り付けたやつだ。仕事上、映像証拠はかなり強ぇからな』
「あっそ」
『ちなみに自前なんでしょ?ボンボンめ』
興味のない天兒さんに対して、幸珀さんは羨ましそう。
カメラって勝手に取り付けていいものだっけ……?
ちょっと怖いから、探偵業を詮索するのはやめておこう。