かわいい戦争


そっかハッキング、へぇ……って、え!?ハッキング!?


それってやっちゃいけないことなんじゃ!?



『……防犯カメラには映ってねぇな』


「は?能無しかよ」


『防犯カメラには、つったろうが。焦んじゃねぇよ』



動揺を隠せずにいる間にも、剛さんと天兒さんが辛辣な会話を繰り広げていく。



『防犯カメラに映ってねぇとなると……』


「カメラのない場所にいる、ってことですかね~?」


『そうだろうな』



防犯カメラが設置されていない場所で思いつくのは、一般人は滅多に行かない治安の悪い危険なところ。


この神雷の洋館がある領域や、東と西にある倉庫付近などが当てはまる。




『お、あったあった』


「カメラには映ってねぇんじゃなかったのかよ」


『だから防犯カメラにはな。今見てんのは、防犯カメラのねぇとこに俺が勝手に取り付けたやつだ。仕事上、映像証拠はかなり強ぇからな』


「あっそ」


『ちなみに自前なんでしょ?ボンボンめ』




興味のない天兒さんに対して、幸珀さんは羨ましそう。


カメラって勝手に取り付けていいものだっけ……?

ちょっと怖いから、探偵業を詮索するのはやめておこう。


< 287 / 356 >

この作品をシェア

pagetop