かわいい戦争


きっと、傷つかなきゃ、弱いままだった。


ほんのわずかな強さは、神雷が教えてくれた。



「いろんなスキャンダルが立て続けに流れて、皆にはたくさん心配をかけたよね。あたしを素直に応援できなくなった人もいると思う。あたしの軽率な行動で皆を悲しませて本当にごめんなさい」



10秒間、深々と頭を下げた。

異様に長く感じた。


顔を上げた璃汰は、真剣な面持ちで口を開く。



「心配をかけた分、これからデビューに向けて……ううん、デビューしてからも努力していきます。もう二度と皆を悲しませない。1人でも多くの人を笑顔にするって約束する!」



小指を突き出して、にっこり笑う。



あ、アイドルスマイルじゃない。


リタじゃなく璃汰の心からの笑顔だ。



「皆のことを絶対に裏切らない。どうか思う存分期待して、あたしを応援してください!必ず幸せにしてみせます!」



ひらり、ひらり。

ピンク色の花が咲き誇った


……錯覚に陥った。



あぁ、すごいな。


幸せの色が眩しいや。



「アイドル・リタをこれからもよろしくね!」



リタ以上にかわいいアイドルを見つけられっこない。


わたしの大好きなアイドル。



この先もずっと応援するよ。

わたしも、約束。


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