かわいい戦争



「……ライブ配信、終了」



ひつじくんがカットをかけた瞬間、笑顔を絶やさずに手を振り続けていた璃汰が倒れるようにわたしにもたれかかってきた。


全身脱力して寄りかかってるのに全然重くない。

また痩せた?




「りったん、お疲れ」


「かっこよかったよ~!」


「うぜぇコメントとかもあっただろ?よくムカつかなかったな。すげぇよ!」


「……くぁ…………ん?終わったのか?」


「は?おま……なにあくびしてんだよ!寝てたのかよ!?」


「寝てねーよ。飽きてきただけ」


「せめて最後まで聴いてやれよ。お前は働いてねぇんだからさ」


「きーてた、きーてた」


「リッキー、嘘はよくない」


「白状しちゃったほうがい~んじゃね?」


「聴いてたっつの。えーっと……なんだっけ?……あーそうだ、俺が強くてかっけーって話してたろ」


「お前じゃなくて神雷がな。そこ間違えんな!」


「神雷ん中で一番強くてかっけーのは俺だろ。もっと俺の話してりゃ、観てた奴らもすぐ手のひらひっくり返してたんじゃね?」


「……強いのはリッキーだけど」


「……見た目は確かにイケてっけど~」


「……一番、か?違くねぇか?」


「俺以外に誰がいんだよ」




あああ、今度はこっちで“かっこいい”の論争!?

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