かわいい戦争
皆で行こう。
1人より皆のほうがずっといい。
璃汰に控室の場所を聞き、皆で移動した。
控室前にいた警備員さんやスタッフに事情を説明するや否や快く中に入れてくれた。
……璃汰、本当に話を通してたんだ。
天兒さんの希望通りエアコンの働いた室内には、イヤホンをつけた璃汰が座っていた。
「璃汰!」
「……まあまあ早かったわね」
璃汰の正面まで近寄ってみれば。
か、かわいい……!!
璃汰の魅力にやられてしまった。
白雪姫みたいなナチュラルメイク、桃色に艷めくローズブラウンの髪色、赤いリボンと共にハーフアップの編み込みをされたヘアアレンジ、デビューシングルに合わせて新調された新衣装。
どれをとってもかわいすぎる!
「あら、あなたたちまで来たの」
「なんでイベントは室内でやんねぇんだよ。今日の気温知らねぇのか?」
「……わざわざ文句を言いに来たの?」
「違ぇよ!!こいつはいつも通り自己中なだけだ!」
バチバチ睨み合う璃汰と利希に、勇祐くんが慌てて諫める。
ハッ。
かわいさに夢中になってる間に口喧嘩が……!
イベント前なのにこんなことで体力を削ったらダメだよ!
わたしもなだめようとして、ふと気づく。
……璃汰の様子がちょっと変。