かわいい戦争
「メイク頑張ってるから、リタに似てるとかかわいいって言われるの、ちょっと嬉しい」
「もしかして海鈴ちゃんもリタちゃん推し!?」
「推しっていうか……好き、かな」
「同志!!!」
「うん、君は落ち着け?海鈴ちゃんもリタちゃんが好きだから、雰囲気似てるのかもね」
「似てるって思うのは、メイクを寄せてるからかも」
「リタちゃん風メイク!?えっ、すごいね!?動画とか見たの?」
「ううん、自分で……」
「自己流!?ねぇ、聞いた!?自己流だって!!すごいね!?」
「だから一旦落ち着きなさいって。鼻息荒いぞ」
班メンバーの2人は、わたしのこと褒めすぎだよ……。
全然すごくないよ?
どうすれば璃汰っぽくなれるかちょっと勉強しただけで……。
「同志なら、海鈴ちゃんも知ってた?リタちゃんがドラマ出演するの」
「ううん。初めて知った。どんなドラマ?」
「学園青春ドラマに本人役でちょこっと出るらしいよ!楽しみだね!」
「リタちゃんって演技うまいのかな」
「さあ?でも本人役ならうまい下手関係ないんじゃない?」
璃汰が、ドラマに……。
今朝は朝の情報番組のゲストとして呼ばれていたし、デビュー前なのにテレビに引っ張りだこだ。
もしかしたら昨日事務所に行ったあとに、演技レッスンがあったのかもしれない。