かわいい戦争




「メイク頑張ってるから、リタに似てるとかかわいいって言われるの、ちょっと嬉しい」


「もしかして海鈴ちゃんもリタちゃん推し!?」


「推しっていうか……好き、かな」


「同志!!!」


「うん、君は落ち着け?海鈴ちゃんもリタちゃんが好きだから、雰囲気似てるのかもね」


「似てるって思うのは、メイクを寄せてるからかも」


「リタちゃん風メイク!?えっ、すごいね!?動画とか見たの?」


「ううん、自分で……」


「自己流!?ねぇ、聞いた!?自己流だって!!すごいね!?」


「だから一旦落ち着きなさいって。鼻息荒いぞ」




班メンバーの2人は、わたしのこと褒めすぎだよ……。


全然すごくないよ?

どうすれば璃汰っぽくなれるかちょっと勉強しただけで……。




「同志なら、海鈴ちゃんも知ってた?リタちゃんがドラマ出演するの」


「ううん。初めて知った。どんなドラマ?」


「学園青春ドラマに本人役でちょこっと出るらしいよ!楽しみだね!」


「リタちゃんって演技うまいのかな」


「さあ?でも本人役ならうまい下手関係ないんじゃない?」




璃汰が、ドラマに……。


今朝は朝の情報番組のゲストとして呼ばれていたし、デビュー前なのにテレビに引っ張りだこだ。



もしかしたら昨日事務所に行ったあとに、演技レッスンがあったのかもしれない。


< 64 / 356 >

この作品をシェア

pagetop