かわいい戦争



昨日……。

わたしが帰って、どうなったんだろう。


帰宅してから璃汰からメッセージは届いてないし。


何もなかったのかな。



わざわざメッセージをよこさないってことは、無事に事務所に行って、ちゃんと帰れたんだよね。



そうであってほしい。




昨日も一昨日も、ストーカーの件を除外しても、厄介ごとに巻き込まれて大変だった。


璃汰が関係していなければ、もう二度と神雷と関わるのはごめんだ。

いいことがひとつもないんだもん。



学校と家だけだよ。
わたしの平和は。




――ガラッ。



前方の扉がスライドされた。


もう2、3分すればホームルームが始まる。

先生が来たのかな。




「失礼しまーす」


「失礼します……」




……あ、あれ?


クラスを訪れたのは、先生ではなく、2人の男の子。



あの男の子たちって……!?




「きゃあああっ!」

「嘘!?」

「なんでお2人が1年の教室に!?」

「やば!こんな近くで見たの初めて!」



四方八方から甲高い歓声が響き渡る。


騒いでるのは、主に女の子だ。

男の子は訪問者に挨拶をするか、驚きで固まってる。



異常なほどの黄色い声を聞きつけ、他クラスからも生徒が集まってくる。

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