かわいい戦争



この2人って、どういう関係?


なんで2人して上から目線なの?

なんでちょっとバチバチしてるの?



「り、璃汰って、神雷の姫なんじゃないの?」


「「はあ?」」



そ、そんな、璃汰だけならまだしも、天兒さんまで凄まなくても……。



「ち、違う、の?」

「違うわよ」


即答ですか。



「どうしてあたしが、こんな暴走族の姫なんてならなくちゃいけないのよ。ただでさえ忙しいのに」



一応最強暴走族の神雷に向かって「こんな」って……。


でもだって、わたしにとって璃汰はお姫さまみたいなイメージあるし、彼らに守られる存在なんてイメージぴったりだなって思って。




「そいつは俺のおもちゃ1号。んで、お前が2号」


「お、おもちゃ!?」


「あんなのでまかせよ。あいつらはあたしの暇つぶし兼用心棒」


「ひ、暇つぶし?」




じ、じゃあ、璃汰は本当に姫じゃないんだ……?



それでも璃汰は、ライブのチケットを渡しに来るほど、彼らと親しい。


わたしといるとき以外は、1人でいるか取り巻きやファンといるかのどちらかが多いのに。



毒舌を吐けるくらいの仲なんだね。

友達、と呼んでもいいのかわからないけれど、彼らが璃汰の味方なら。




――『どうして!あたしは独りなのに、どうしてよ……!』




わたしは、自分のことのように
嬉しいよ。


< 88 / 356 >

この作品をシェア

pagetop