かわいい戦争
この2人って、どういう関係?
なんで2人して上から目線なの?
なんでちょっとバチバチしてるの?
「り、璃汰って、神雷の姫なんじゃないの?」
「「はあ?」」
そ、そんな、璃汰だけならまだしも、天兒さんまで凄まなくても……。
「ち、違う、の?」
「違うわよ」
即答ですか。
「どうしてあたしが、こんな暴走族の姫なんてならなくちゃいけないのよ。ただでさえ忙しいのに」
一応最強暴走族の神雷に向かって「こんな」って……。
でもだって、わたしにとって璃汰はお姫さまみたいなイメージあるし、彼らに守られる存在なんてイメージぴったりだなって思って。
「そいつは俺のおもちゃ1号。んで、お前が2号」
「お、おもちゃ!?」
「あんなのでまかせよ。あいつらはあたしの暇つぶし兼用心棒」
「ひ、暇つぶし?」
じ、じゃあ、璃汰は本当に姫じゃないんだ……?
それでも璃汰は、ライブのチケットを渡しに来るほど、彼らと親しい。
わたしといるとき以外は、1人でいるか取り巻きやファンといるかのどちらかが多いのに。
毒舌を吐けるくらいの仲なんだね。
友達、と呼んでもいいのかわからないけれど、彼らが璃汰の味方なら。
――『どうして!あたしは独りなのに、どうしてよ……!』
わたしは、自分のことのように
嬉しいよ。