レイジングピース
僕の名前は 明本暁光 という
彼女の名前は 小島闇子 という
二人が出会ったのは 家の近所の公園だった
僕がベンチに座っていると 彼女がやって来て声をかけてきた
「いつも ここにいらっしゃるのですか?」
「はい 最近あたたかくなってきたので」
「そうですね」
「はい」
普通の会話だった
だが何故か 親近感を覚えた
彼女がいきなり言ってきた
「あの 失礼ですがお名前はなんとおっしゃるんですか?」
「あ 僕ですか 明本と言います」
「そうなんですかー わたしは小島と言います」
「あ はい」
「スミマセン ぶしつけなこと聞いちゃって」
「いえ 大丈夫です」
「明本さんは どうして公園に来たのですか?」
「え そうですね しいて言うなら 一人が好きだからです はい」
「なるほどーわたしもなんです」
「そうなんですか?いえ 話しかけてきたので てっきり社交的な人なのかな と」
「そんなことないですー わたしは内気な性格でして あまり人と話しません」
「そうなんですか 人は見かけによりませんね はは」
「そうですね アハハ」
「小島さんは どうして公園に?」
「わたしですか うん そうですね ただ外の空気を吸いたくなっちゃって」
「はは なるほどです」
「うん」
「明本さんは 夜に公園に来ますか?」
「え 実は朝に来たりします」
「何時頃ですかー」
「5時です はは」
「お早いですね 明日の朝にわたしも来ます」
「ええ?そうなんですか?はい わかりました 僕も来ます」
「ありがとうー」
「は はい」
「では わたしは帰ります 明日ねー」
「はは はい明日ね」
彼女 小島さんは帰ってしまった
僕は 一本タバコに火をつけた
「ふー」
帰るか と思い僕は重たい腰を上げて帰った
翌日
僕は目を覚ますと4時だった
急いで身支度を済ませ公園へ向かった
公園につくと既に彼女はいた
僕は言った
「すいません遅くなりました」
「いえーわたしも今来たところなんですよ」
「あっありがとうございます」
「アハハ どういたしましてー」
「てっきり 怒っちゃってるかと思いました」
「怒るわけないじゃないですか 面白いですね明本さんて」
「ちなみに小島さんは 聞いていいのかわかりませんが したの名前はなんと言うんですか?すいません」
「わたしですか はい闇子と言います」
「やみこ さんですか 変わったお名前ですね はは」
「明本さんは?」
「僕は暁光と言います 闇子さんのこと とやかく言えませんね」
「きょうこう さんですね覚えました」
「は はい よろしくお願いします」
「こちらこそ よろしくお願いいたしますー」
「はい」
「はいー」
二人でベンチに座り話していると 闇子さんが驚くことを言ってきた
「暁光さんは 今ってどう思いますか?」
「えっ い今と言うと?」
「社会 です」
「社会ですか?あまり好きではありません」
「どうしてですか」
「そうですね 一言で言うと 残酷だと思います」
「残酷?」
「はい 人の世界ということですが 僕はそうではないと思うんですよ 例えば 人以外の生物もたくさんいて 弱肉強食でかわいそうと言うか何と言うか はい」
「なるほど 暁光さんは それについてどうしたいのですか?」
「ど どうって それは助けてあげたいです ビックリすることを聞きますね はは」
「そうですか わたしも同じです でも それって食物連鎖で どうしようもないですよね それについて もう少し聞かせてください」
「はい どうしようもないと言うのは早計だと僕は思うんですよ 例えば 動物の肉なんかも かわいそうなので極力少なくして 畑等の野菜をメインにするように心がければ 被害も減るのではないかと それと 食物だけではなくて 今では大気汚染が問題じゃないですか それなんかも 工場なんかを極力抑えて クルマの排気ガスも 電気自動車になればいいなって思います はい」
「ありがとうー 本当にそうですね こんなこと 聞いたの初めてです」
「そ そうですか? 僕なんかの浅知恵を聞いてくれて ありがとうございます」
「浅知恵だなんて とんでもないです そういう人として当たり前のことが 世界を変えるんですよ アハハ」
「すいません 偉そうなこと言って」
「わたし そういう人 好きです」
「えっ あ ありがとうございます」
「ビックリしますか?わたし 昨日 初めてあなたを見て直感したんですよー」
「な 何をですか?」
「暁光さん 悲しそうな顔してました でも わたしが話しかけたら いきなり顔色が普通になって それでわかったんです この人は相手を心配させないように努力して 一人で悩んで考えて 優しい人なんだって」
「おだてないでくださいよ ただ寒かっただけですから はは」
「また うそ さっき言ってくれたじゃないですか あったかくなったねって」
「そうでしたっけ? すいません」
「わたし そういう人好きです 付き合ってください」
「えっ!そうなんですか? はは はいわかりました」
「ありがとう 明日って空いてますか?」
「は はい一応」
「では お昼ごはん 家に食べに来ませんか?」
「い いいんですか?」
「うん これ わたしの住所と電話番号です 実は 告白しようと思って はじめから用意してたのよ」
「あ ありがとうございます」
「こちらこそ ありがと」
「僕は帰ります あとで電話します」
「はい よろしくね」
「はい」
そして 僕は逃げるように公園を後にした
自分の部屋に戻ると まだ心臓がバクバク音をたてていた
数時間たって僕は闇子さんに電話をした
プルルーガチャと携帯に闇子さんの声が聞こえてきた
「もしもし小島ですが暁光さん?」
「はい自分です」
「お電話ありがとう」
「いえいえです今大丈夫ですか?」
「はい」
「あの明日なんですが何時にお伺いしたらいいでしょうか」
「そうですね13時頃でお願いいたします」
「わかりました」
「うん」
「では電話きります」
「はい明日よろしくお願いいたします」
ガチャと僕は電話を切った
心臓がヤバすぎる
そして翌日
僕は朝食を抜き腹ペコ状態で闇子さんのお家にお邪魔した
「お邪魔いたします明本暁光といいます今日はお招きしてくれてありがとうございます」
「暁光さんって面白いですねアハハ」
「そ そうですか?ありがとうございます」
「ううん どういたしまして さ 上がってください」
「は はい」
僕は闇子さんに お家を 案内してもらった
「こっちですよ わたしの部屋です 入ってくださいね」
「えっ いいんですか 僕はてっきりご家族の方と一緒に なるのではないかと 思って お おりまして」
「アハハ わたし一人ですよ今 気にしないで ゆっくりくつろいでくださいね」
「あ はい では失礼いたします」
「狭いですけど ウフフ 適当に座ってね」
「は はい ありがとうございます」
僕は部屋の中央にある 桃色のテーブルの横に腰を下ろした
「今 飲み物 持って来ますね ちょっと待っててください」
「は はい お構い無く」
スタスタと闇子さんは 僕を部屋に残し行ってしまった
失礼かと思ったが 僕は闇子さんの部屋の中をぐるりと見渡した
すると 不思議な絵が 白い壁に飾ってあった
その絵は 僕の目を真剣にさせた
絵 自体は普通の風景画だったが この景色は何かがおかしい どうおかしいのか 自分でもわからなかった だが明らかにおかしいのだ
絵の中央に湖がある それはいい だが その湖には 僕の見たことのない何かが 浮かんでいたのだ
僕は 青ざめた これはもしかして し 死体か?
なんだ 何なんだこの絵は
こんな絵が存在するのか 僕は自分の目を疑った
でも この死体 子供の女の子 だな どうして死んでるんだ?
おかしいだろ 一体この絵を描いた人は何を考えているんだ かわいそうだろ どうして一人で死んでるんだ 助けは無かったのか どうして湖の中央にいるんだ 舟もなにも無いじゃないか 誰か気づかないのか て絵か
僕は その不思議な絵の本当の意味を まだ知るよしもなかった
いきなり ガチャとドアが開いた
「うわっ」
と僕は大きな声を出してしまった
「どうしたんですか いきなり」
闇子さんが 大きなトレーに食べ物をのせて 持ってきてくれた
僕はつかさず言った
「あ ありがとうございます」
「いえ さあ 一緒にたべましょ」
「は はい」
テーブルに置いてくれたのは ビーフカレーだった
「ありがとうございます いただきます」
「はい どうぞ 召し上がってくださいね」
僕はそれを口に運んだ
「うん 旨い!」
思わず感嘆の声を上げていた
「そうですか よかったー わたしの十八番なんですよ ビーフカレー」
「本当に旨いです」
「うん ありがとう」
僕は食べている最中だが どうしても 絵のことが気になって闇子さんに聞いてみた
「あの つかぬことを聞いてもいいですか?」
「はい いいですよ 何でも聞いてください」
「あの飾られている 絵なんですが はは 何なんですかね」
「あ あの絵ですか?」
「はい」
「あの絵は わたしが描きました」
「えええー」
「面白いです 駄洒落ですか?」
「違いますよ だって あれって 失礼ですが女の子が亡くなっていますよね?」
「はい あれは わたしです」
「えええー?」
「あの絵のことが気になるんですか?」
「あ はい 一応」
「そうですか わかりました お話しします」
「お願いします」
「あの絵は わたしが学生時代に描きまして ただの油絵なんですが そしてどうしてわたしが死んでいるかと言いますと 単にその時のわたしの こころなんです 一人で寂しくて 悲しくて 死んでいたんです 助けてと叫んでも誰にも届かないし 溺れ死ぬしかなかったんです ごめんなさい 暗い話をしてしまって」
「とんでもありません 失礼なことを聞いたのは僕です 本当にすいません」
「いいんです でもあの絵 気に入っているんですよー」
「ど どうしてですか」
「それは 秘密 さあ 残り 食べましょ」
「は はい」
僕たちは 楽しく美味しい昼食をとった
「ありがとうございます 美味しかったです」
「いえいえ お粗末さまー」
「じ じゃあ僕は帰ります お邪魔しました」
「ちょっと 待って 一つだけ暁光さんに聞いてもいいですか?」
「は はいもちろんです」
「あの絵 残酷だと思いますか?」
「いえ その逆です 美しいと思いました はは 芸術はからきしですが」
「そうですか はい わかりました 気を付けて帰ってね」
「はい ご馳走様でした」
「今度は わたしから電話しますね 今日の夜にお話ししたいことがあるので」
「夜にですか は はいわかりました 失礼します」
「また ねバイバイー」
「はい お邪魔しました」
僕は自分の家へと帰った
部屋に戻ると 笑みがこぼれた 彼女かぁ
人生初だな やったー
そして夜 僕の携帯が鳴った
彼女の名前は 小島闇子 という
二人が出会ったのは 家の近所の公園だった
僕がベンチに座っていると 彼女がやって来て声をかけてきた
「いつも ここにいらっしゃるのですか?」
「はい 最近あたたかくなってきたので」
「そうですね」
「はい」
普通の会話だった
だが何故か 親近感を覚えた
彼女がいきなり言ってきた
「あの 失礼ですがお名前はなんとおっしゃるんですか?」
「あ 僕ですか 明本と言います」
「そうなんですかー わたしは小島と言います」
「あ はい」
「スミマセン ぶしつけなこと聞いちゃって」
「いえ 大丈夫です」
「明本さんは どうして公園に来たのですか?」
「え そうですね しいて言うなら 一人が好きだからです はい」
「なるほどーわたしもなんです」
「そうなんですか?いえ 話しかけてきたので てっきり社交的な人なのかな と」
「そんなことないですー わたしは内気な性格でして あまり人と話しません」
「そうなんですか 人は見かけによりませんね はは」
「そうですね アハハ」
「小島さんは どうして公園に?」
「わたしですか うん そうですね ただ外の空気を吸いたくなっちゃって」
「はは なるほどです」
「うん」
「明本さんは 夜に公園に来ますか?」
「え 実は朝に来たりします」
「何時頃ですかー」
「5時です はは」
「お早いですね 明日の朝にわたしも来ます」
「ええ?そうなんですか?はい わかりました 僕も来ます」
「ありがとうー」
「は はい」
「では わたしは帰ります 明日ねー」
「はは はい明日ね」
彼女 小島さんは帰ってしまった
僕は 一本タバコに火をつけた
「ふー」
帰るか と思い僕は重たい腰を上げて帰った
翌日
僕は目を覚ますと4時だった
急いで身支度を済ませ公園へ向かった
公園につくと既に彼女はいた
僕は言った
「すいません遅くなりました」
「いえーわたしも今来たところなんですよ」
「あっありがとうございます」
「アハハ どういたしましてー」
「てっきり 怒っちゃってるかと思いました」
「怒るわけないじゃないですか 面白いですね明本さんて」
「ちなみに小島さんは 聞いていいのかわかりませんが したの名前はなんと言うんですか?すいません」
「わたしですか はい闇子と言います」
「やみこ さんですか 変わったお名前ですね はは」
「明本さんは?」
「僕は暁光と言います 闇子さんのこと とやかく言えませんね」
「きょうこう さんですね覚えました」
「は はい よろしくお願いします」
「こちらこそ よろしくお願いいたしますー」
「はい」
「はいー」
二人でベンチに座り話していると 闇子さんが驚くことを言ってきた
「暁光さんは 今ってどう思いますか?」
「えっ い今と言うと?」
「社会 です」
「社会ですか?あまり好きではありません」
「どうしてですか」
「そうですね 一言で言うと 残酷だと思います」
「残酷?」
「はい 人の世界ということですが 僕はそうではないと思うんですよ 例えば 人以外の生物もたくさんいて 弱肉強食でかわいそうと言うか何と言うか はい」
「なるほど 暁光さんは それについてどうしたいのですか?」
「ど どうって それは助けてあげたいです ビックリすることを聞きますね はは」
「そうですか わたしも同じです でも それって食物連鎖で どうしようもないですよね それについて もう少し聞かせてください」
「はい どうしようもないと言うのは早計だと僕は思うんですよ 例えば 動物の肉なんかも かわいそうなので極力少なくして 畑等の野菜をメインにするように心がければ 被害も減るのではないかと それと 食物だけではなくて 今では大気汚染が問題じゃないですか それなんかも 工場なんかを極力抑えて クルマの排気ガスも 電気自動車になればいいなって思います はい」
「ありがとうー 本当にそうですね こんなこと 聞いたの初めてです」
「そ そうですか? 僕なんかの浅知恵を聞いてくれて ありがとうございます」
「浅知恵だなんて とんでもないです そういう人として当たり前のことが 世界を変えるんですよ アハハ」
「すいません 偉そうなこと言って」
「わたし そういう人 好きです」
「えっ あ ありがとうございます」
「ビックリしますか?わたし 昨日 初めてあなたを見て直感したんですよー」
「な 何をですか?」
「暁光さん 悲しそうな顔してました でも わたしが話しかけたら いきなり顔色が普通になって それでわかったんです この人は相手を心配させないように努力して 一人で悩んで考えて 優しい人なんだって」
「おだてないでくださいよ ただ寒かっただけですから はは」
「また うそ さっき言ってくれたじゃないですか あったかくなったねって」
「そうでしたっけ? すいません」
「わたし そういう人好きです 付き合ってください」
「えっ!そうなんですか? はは はいわかりました」
「ありがとう 明日って空いてますか?」
「は はい一応」
「では お昼ごはん 家に食べに来ませんか?」
「い いいんですか?」
「うん これ わたしの住所と電話番号です 実は 告白しようと思って はじめから用意してたのよ」
「あ ありがとうございます」
「こちらこそ ありがと」
「僕は帰ります あとで電話します」
「はい よろしくね」
「はい」
そして 僕は逃げるように公園を後にした
自分の部屋に戻ると まだ心臓がバクバク音をたてていた
数時間たって僕は闇子さんに電話をした
プルルーガチャと携帯に闇子さんの声が聞こえてきた
「もしもし小島ですが暁光さん?」
「はい自分です」
「お電話ありがとう」
「いえいえです今大丈夫ですか?」
「はい」
「あの明日なんですが何時にお伺いしたらいいでしょうか」
「そうですね13時頃でお願いいたします」
「わかりました」
「うん」
「では電話きります」
「はい明日よろしくお願いいたします」
ガチャと僕は電話を切った
心臓がヤバすぎる
そして翌日
僕は朝食を抜き腹ペコ状態で闇子さんのお家にお邪魔した
「お邪魔いたします明本暁光といいます今日はお招きしてくれてありがとうございます」
「暁光さんって面白いですねアハハ」
「そ そうですか?ありがとうございます」
「ううん どういたしまして さ 上がってください」
「は はい」
僕は闇子さんに お家を 案内してもらった
「こっちですよ わたしの部屋です 入ってくださいね」
「えっ いいんですか 僕はてっきりご家族の方と一緒に なるのではないかと 思って お おりまして」
「アハハ わたし一人ですよ今 気にしないで ゆっくりくつろいでくださいね」
「あ はい では失礼いたします」
「狭いですけど ウフフ 適当に座ってね」
「は はい ありがとうございます」
僕は部屋の中央にある 桃色のテーブルの横に腰を下ろした
「今 飲み物 持って来ますね ちょっと待っててください」
「は はい お構い無く」
スタスタと闇子さんは 僕を部屋に残し行ってしまった
失礼かと思ったが 僕は闇子さんの部屋の中をぐるりと見渡した
すると 不思議な絵が 白い壁に飾ってあった
その絵は 僕の目を真剣にさせた
絵 自体は普通の風景画だったが この景色は何かがおかしい どうおかしいのか 自分でもわからなかった だが明らかにおかしいのだ
絵の中央に湖がある それはいい だが その湖には 僕の見たことのない何かが 浮かんでいたのだ
僕は 青ざめた これはもしかして し 死体か?
なんだ 何なんだこの絵は
こんな絵が存在するのか 僕は自分の目を疑った
でも この死体 子供の女の子 だな どうして死んでるんだ?
おかしいだろ 一体この絵を描いた人は何を考えているんだ かわいそうだろ どうして一人で死んでるんだ 助けは無かったのか どうして湖の中央にいるんだ 舟もなにも無いじゃないか 誰か気づかないのか て絵か
僕は その不思議な絵の本当の意味を まだ知るよしもなかった
いきなり ガチャとドアが開いた
「うわっ」
と僕は大きな声を出してしまった
「どうしたんですか いきなり」
闇子さんが 大きなトレーに食べ物をのせて 持ってきてくれた
僕はつかさず言った
「あ ありがとうございます」
「いえ さあ 一緒にたべましょ」
「は はい」
テーブルに置いてくれたのは ビーフカレーだった
「ありがとうございます いただきます」
「はい どうぞ 召し上がってくださいね」
僕はそれを口に運んだ
「うん 旨い!」
思わず感嘆の声を上げていた
「そうですか よかったー わたしの十八番なんですよ ビーフカレー」
「本当に旨いです」
「うん ありがとう」
僕は食べている最中だが どうしても 絵のことが気になって闇子さんに聞いてみた
「あの つかぬことを聞いてもいいですか?」
「はい いいですよ 何でも聞いてください」
「あの飾られている 絵なんですが はは 何なんですかね」
「あ あの絵ですか?」
「はい」
「あの絵は わたしが描きました」
「えええー」
「面白いです 駄洒落ですか?」
「違いますよ だって あれって 失礼ですが女の子が亡くなっていますよね?」
「はい あれは わたしです」
「えええー?」
「あの絵のことが気になるんですか?」
「あ はい 一応」
「そうですか わかりました お話しします」
「お願いします」
「あの絵は わたしが学生時代に描きまして ただの油絵なんですが そしてどうしてわたしが死んでいるかと言いますと 単にその時のわたしの こころなんです 一人で寂しくて 悲しくて 死んでいたんです 助けてと叫んでも誰にも届かないし 溺れ死ぬしかなかったんです ごめんなさい 暗い話をしてしまって」
「とんでもありません 失礼なことを聞いたのは僕です 本当にすいません」
「いいんです でもあの絵 気に入っているんですよー」
「ど どうしてですか」
「それは 秘密 さあ 残り 食べましょ」
「は はい」
僕たちは 楽しく美味しい昼食をとった
「ありがとうございます 美味しかったです」
「いえいえ お粗末さまー」
「じ じゃあ僕は帰ります お邪魔しました」
「ちょっと 待って 一つだけ暁光さんに聞いてもいいですか?」
「は はいもちろんです」
「あの絵 残酷だと思いますか?」
「いえ その逆です 美しいと思いました はは 芸術はからきしですが」
「そうですか はい わかりました 気を付けて帰ってね」
「はい ご馳走様でした」
「今度は わたしから電話しますね 今日の夜にお話ししたいことがあるので」
「夜にですか は はいわかりました 失礼します」
「また ねバイバイー」
「はい お邪魔しました」
僕は自分の家へと帰った
部屋に戻ると 笑みがこぼれた 彼女かぁ
人生初だな やったー
そして夜 僕の携帯が鳴った