154cm
背伸び
ライブハウスの階段を登ると、一段ごとにタバコの匂いが濃くなっていく。
階段に座っている人たちが、私をもの珍しそうに見つめている。
当たり前だ、長い髪をきっちり三つ編みにして、県ではちょっと有名なお嬢様学校の制服を着てる女なんて、場違いもいいところだもの。
階段の一番上では、グレーのニットキャップをかぶった男の人がタバコをくわえながらゆっくりとお札を数えていた。
小さな机の前に立つと、帽子の中からじろり、と私を見る。
「大人一枚ください!」
「…どこから?」
「は?…あの、高校生は大人ですよね?」
男の人はふーっと煙を吐き出すと
「どのバンドを見にきたの」
あきれたようにぽそり、と言う。
「あ…えっと…」
ノビー。
私の頭の中には彼の名前しか無かった。
バンド名は…覚えてない。
「ノビー…っていう人の…」
「マテリアね。手出して」
私の言葉を遮るように言って、男の人は私の左手にスタンプを押した。
「再入場のときは手のそれ見せて。これはドリンクチケット。…学生さんならアルコールは禁止で。」
男の人は一気にしゃべったあと、またお札を数えはじめた。そのまま黙って立っていると、「まだ何か?」という目を向けた。
何でもありません、と首を振って、重いドアを開けた。
階段に座っている人たちが、私をもの珍しそうに見つめている。
当たり前だ、長い髪をきっちり三つ編みにして、県ではちょっと有名なお嬢様学校の制服を着てる女なんて、場違いもいいところだもの。
階段の一番上では、グレーのニットキャップをかぶった男の人がタバコをくわえながらゆっくりとお札を数えていた。
小さな机の前に立つと、帽子の中からじろり、と私を見る。
「大人一枚ください!」
「…どこから?」
「は?…あの、高校生は大人ですよね?」
男の人はふーっと煙を吐き出すと
「どのバンドを見にきたの」
あきれたようにぽそり、と言う。
「あ…えっと…」
ノビー。
私の頭の中には彼の名前しか無かった。
バンド名は…覚えてない。
「ノビー…っていう人の…」
「マテリアね。手出して」
私の言葉を遮るように言って、男の人は私の左手にスタンプを押した。
「再入場のときは手のそれ見せて。これはドリンクチケット。…学生さんならアルコールは禁止で。」
男の人は一気にしゃべったあと、またお札を数えはじめた。そのまま黙って立っていると、「まだ何か?」という目を向けた。
何でもありません、と首を振って、重いドアを開けた。