【完】走る






「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」



学校のマラソン練習で、

体育館内を走っているんだが、

もう限界だ。



そう思いこのままバックレようとした。





「辰!後二周だ!頑張れ!」



うっ、可愛い!


ひと足早く終わった俺の彼氏。


新が満面の笑顔で応援してくれる。


仕方ない、頑張るか。



「おっ!速くなった!いいぞ辰!」



俺はそれを聞き、

また嬉しくなって速くなる。






暫く走ると二周走り切った。


あぁ、横腹がぁぁぁあ…、

もうマラソン嫌い…。


俺は持ってきていたお茶を飲む。


明日もあるらしいが、

絶対休む。


そう思っていると、

新がズダダッと走ってきた。



「辰!よく頑張ったな!」


二ヒヒと笑いながら、

俺の頭を撫でる。


「…うん。」



すると新が顔を近づけボソッと言った。



「明日も頑張ってくれたらご褒美あげるから、

ちゃんと授業受けろよ。」



ご褒美って?!

すっげぇ気になる!


マラソン練習は嫌だが、

背に腹は変えられん!



「…明日もする。」



「よし!いい子だ!」



そう言うと、

また友達の輪に戻っていった。





___________





よし、ちゃんと約束してくれたな。


こんな作戦で大丈夫かと思ったが、

案外ちょろかったな。


まぁでもこれで、

明日も走ってる辰が見れる!




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