秘密の味




目の前にいる男の背中は、扉にくっついていて、扉の向こうには、知り合いがいる。

そしてこいつは、不敵な笑みを浮かべながら顔を近づけてくる。



幸か不幸か、唯一の仕切りである扉にはガラスの部分があって、見ようと思えば見える仕組みになっている。



「・・・・っ。」


わたしは、たまらなくなって、左に顔を背けた。



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