愛されプリンス½
いつもの偉そうでムカつく瞳ともまた違う。
感情の読み取れない温度のない目。
ぞくり、と背中が泡立った。
…なに…?なんか、いつもと違う。
「……天王子?」
私の声に、天王子の瞳が揺れた。
乱暴に私から手を離す。
チッ、と忌々しげな舌打ちが落とされた。
「ほんとうぜーわお前」
「な」
「そうやって一人で少女マンガごっこしてろよ。マジうぜー」
そしてうぜぇを連呼しながら、ガシガシと頭をかいて
「じゃ帰るわ」
そう宣言したかと思ったら、あっという間に部屋を出ていった。
…は?なに今の。
ポツンと部屋に一人取り残される私。
勝手に俺としたいのかとか言ってきて、否定したらあんな冷たい目をされて、挙句の果てには少女マンガごっこ?うぜぇ?
私何一つ間違ったこと言ってないと思うんだけど??
納得できない。
握りしめた手がプルプルと震える。
お前の方がよっぽどうざいんじゃー!!!!