愛されプリンス½




自分の余裕を再確認し、


「ぜんっっぜんイライラなんてしてな…「ってか一花体育ノートは?」



答えようとしたのに、みのりに遮られた。



自分から聞いてきたくせに、と思いつつも気付いてしまった。



「あっ…教室に忘れた!!」



(説明しよう!体育ノートとは体育の授業の度に反省と感想を書かなければいけないとても面倒臭いノートである。ちなみに持ってくるのを忘れるとザビエルがめっちゃキレる)




「あーあ。ザビ怒るぞ~」



ご愁傷さま、と私に手を合わせるみのり。



慌てて時計を確認すると、授業開始まであと4分ある。急げば間に合う…かも!



「私ちょっと取り行ってくる!」


「えっちょ、間に合うの!?」



みのりの声に答える時間も惜しんで体育館を飛び出した。



数学の鬼に目をつけられたばっかりなのに、ザビエルにお説教とかほんと勘弁―――ってうわっ!



体育館から出て数段の階段の途中、突如足元に人が現れた!



間一髪のところで避ける。危うく顔面踏んづけるところだった。




は、と安堵の息を吐き出して、こんなところに寝転ぶ非常識な輩に文句を言おうと振り向くと。



「……天王子?」



その非常識な輩は、学校では優等生なはずのプリンスだった。



な、何でこんな時間に、こんな所で?





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