愛されプリンス½



ちょちょちょ、何にもよくないんですけど!


「ちょっとどこ連れてく気!?」


「うっせーなぁ早く歩けよ」



質問に答えろ天王子!



何とか奴の手を振り払おうと格闘していると、前方からザビエルが歩いてくるのが見えた。


最悪だ…こんな状況でザビエル降臨。



サッと天王子の後ろに姿を隠すのと同時に、ザビエルが「お~天王子!」と親し気な声をあげる。


「大場先生。こんにちは」


「どうした~?サボりか!?」


「違いますよ。これから撮影なんです」



礼儀正しい口調でそんなことを言っている天王子。



撮影って…モデルの?



「そうかそうかァーッ!大変だなァ人気者はァ!!」」



ガッハッハと力強く天王子の肩を叩くザビエル。


と、後ろにいた私の存在に気付き「ん!?」と眉間に皺を寄せた。



「何だァお前、村田じゃないか!お前次、俺の体育だろう!こんな所で何してんだァ!?」


それはこっちが聞きたいぞザビエル!


でもそんなことは言えないので「いやあ…」と曖昧な笑みを浮かべていると



「なんか村田さん、具合悪いらしくて。今日は早退するそうです」



天王子がニッコリ笑顔でそう答えた。



…は?具合悪い?私が?早退?初耳です。



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