愛されプリンス½
リュウさんが、そこで改めてその視界に私を映した。
だけど、さっきまでの視線とは全く違う。
驚きと冷静さが入り混じる、品定めするみたいな視線。
…な、なに!?
「…あんなに嫌がってたのにどういう風の吹き回しだ?玲」
「別に。俺も色々やってかないと、この世界は競争が厳しいですから」
リュウさんが私から視線を逸らして天王子を見る。その視線を受け止める天王子は、いつもの猫かぶりモードのニコニコ笑顔。
「…わかった」
リュウさんが静かに頷いて、後ろの方にいたスタッフに何か合図を送る。
すると何人かのスタッフらしき人たちが来て、天王子を部屋の奥へと誘った。
立ち去り際、天王子がフッと私に向かって口角をあげて。
「じゃ、また後で」
ポツンと一人取り残された私。
こ、こんな所に一人残されて一体どうすれば…!?
思わず身を縮こませていると
「なんていうの?名前」
リュウさんが笑顔で聞いてきた。
「あ、えっと、村田一花…です」
「一花ちゃん。可愛い名前だね」
「…ありがとうございます」
「じゃぁ一花ちゃんも準備しよっか?」
…は?