愛されプリンス½
そう言う天王子の声は、今まで聞いたことのないくらい、一番冷たい音をしていて。
「…天王子?」
天王子がフッと目線を下に移して私を見る。
そして忌々しそうにチッと舌打ちをすると
「つーか人に説教する前に自分のこと心配すれば?
男いたことあんのかよお前」
そう言う天王子は、もういつも通りの小憎たらしい天王子だった。
「う、うるさいなぁ。私だって男の一人や二人…」
いたことはない。もちろん。
「かわいそ」
フン、と天王子が笑う。
ムカつく。すげームカつく。
天王子が恋愛しようとしたくなかろうと、私は絶対、表裏のないめちゃくちゃ性格良い彼氏を作って幸せになる!!
そう決めた。