愛されプリンス½
「………は?」
天王子が不可解そうに眉をひそめる。
それはそうだろう。
天王子は女アレルギー克服のために仕方なく、私を利用しているだけなんだから。
「何言ってんのお前?」
「どーも一花ちゃんにベタベタしすぎだよねぇ、
今日だって無意味に呼び出しちゃってさぁ」
「おい開人。俺がコイツを好きだとか言いたいわけ?」
は、と天王子が不自然に頬をつりあげる。
「何で俺がこんなドッッッ平凡な村人女好きになんなきゃいけねーんだよ」
「私だってこんな性格ドッッッ最悪な男絶対に無理」
「は!?」
「なに!?」
睨み合う私たちを見て、やれやれと肩を竦める水川。
「あー、じゃぁもういいよ。一花ちゃんと行くから」
「「…は!?」」
さっきまで睨み合っていたはずの私たちの声が、綺麗に重なった。
「え、ちょ、水川何言ってんの!?」
「だからぁ、俺と一緒に合コンしよ?一花ちゃん」
私が…合コン!?