愛されプリンス½
「ゴッゴミ女…!?」
その形の良い唇から落とされた暴言とは信じ難く、思わず繰り返すと
「ゴミ箱の中から出てきただろうが。きったねーな」
軽蔑したような視線でそう言われた。
「ちょっと!?ゴミ箱の中から出てきたんじゃなくて後ろに隠れてただけです!」
「やっぱ隠れてたんじゃねーか」
プリンスが一歩、距離を詰めてきた。
私もそれに伴い一歩、後退する。
「おまえ名前は」
「な、名前っ…!?む、村田一花…ですけど」
「村田…一花?」
「い、一応隣のクラス…ですけど!」
「へー。知らねーな。
ま、俺くらいになるとその辺のホコリにまで目を配ってる余裕ねーからなぁ」
は…ほ、ホコリ!?ゴミの次はホコリ…だと!?
「あんたねぇ…!!」
「お前の友達に伝えとけ」
プリンスがニヤリと、意地悪く右の口角だけ吊り上げた。
「お弁当は美味しく頂きました、ありがとうってな」