愛されプリンス½
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目が覚めると、カーテンの隙間から明るい陽射しが差し込んでいた。
ゆっくりと体を起こす。心なしか体が痛い…ってここ、ソファだ。
微かな背中の痛みは、どうやら慣れないソファで眠ってしまったためらしい。
体にかけられたブランケット。
ソファの上で上半身を起こした体勢のまま、ぼんやり昨夜に記憶をめぐらす。
…そうだ。昨日の夜は嵐で、天王子が家に来て、停電して…
一緒にソファに座って、何を話すわけでもなく、ただ座ってた。
それで…
気付いたら眠ってしまっていたらしい。
このブランケットは自分でかけた覚えはないけど…まさか天王子が?
天王子の姿がないけど、もう家に帰ったのかな。
何の気なしに顔に手をやると、自分の顔になぜか紙のようなものが貼りついていた。
取って、見る。
薄ピンクの付箋に、書き殴ったような字で“遅刻すんなよヨダレ女!”と書かれていた。
ヨダレ女!?
慌てて口元を拭う。
まさか私、ヨダレを垂らしてるところをバッチリ見られちゃったりしてるんだろうか。
最悪だ。