愛されプリンス½
まぁ初めから大体見当はついてたけど。
やっぱり一花ちゃん絡みか。
「で、一花ちゃんと何があったんだよ?」
「…は?別になんもねーし」
不機嫌そうにドカッとコンクリの上に胡坐をかく玲。
「いや嘘だろ。言っとくけど玲、自分で思ってるより相当分かりやすいからな」
普段は上品で穏やかな笑顔の仮面をかぶってるけど、
それを脱げば考えてることは大体顔に書いてある。
玲は機嫌悪く舌打ちをすると、俺から目を逸らしたまま
「…昨日、あいつんちに泊まった」
ボソッと、小さい声で呟くように言った。まるで怒っているかのようにぶっきらぼうに。
ていうか、泊まっ…
「マジで!?」
「…おー」
…そうか、モテまくりのプリンス童貞もついに…
「ヤッたんだ」
「っはぁ!?」
物凄い勢いで、グルンッと俺を振り向いた玲。
その顔はなぜか真っ赤だ。
「え、ちがうの?」
「ちっ…げーよ!バッカじゃねぇの!?」
どうやらうちのプリンスはまだピュアピュアボーイだったようだ。