愛されプリンス½
「ふーん。それはかなり嬉しいアクシデントじゃん」
「どこがだよっ…
ほんとお前どっかおかしいんじゃねぇの!?」
「どっちかというと俺が健全だと思うけど。で?」
「で?って…そんだけだよ」
イラついたように髪の毛をグシャグシャにする玲。
…ふーん。今の話のどこにそんな混乱する要素があるのか。
ピュアピュアボーイの思考は俺にはよく理解できない。
「別にそんな頭悩ませなくても。
襲ったわけでもないんでしょ?」
「………」
「えっ襲ったの!?」
まぁ俺なら確実にそうするだろうけど(据え膳食わぬは男の恥という素晴らしい格言もある)、
まさかこのピュアピュアボーイにそんな行動力があったとは!?
え?でもたしかヤッてないって言ってたよな、さっき。
なんだか俺の方が混乱してきた。
身を乗り出す俺をチラッと横目で見た玲は、またすぐに目を逸らして
「…はじめてだったんだよ」
「は?」
「………誰かにすげぇ、……触りたいって思ったの」