愛されプリンス½
仕方なく私もみのりの隣に並ぶ。喉が渇いたから早く自販機行きたいんだけどなぁ。
「うわっ…やばい!超絶かっこよすぎ…!!」
みのりがとろりと頰を緩めてうっとりとした表情を浮かべる。
その視線の先ではプリンスが、女子の歓声を一身に浴びながらドリブルをしているところだった。
微かに微笑みなんて浮かべちゃって、余裕そうな表情で次々と敵をかわしてく。
…こないだ教室から見たときも思ったけど。
やっぱりサッカーうまいなぁ。サッカー部でもないのに…もしかして昔やってたとか?
「ねっ、プリンス超っかっこいいよね!?」
「うん…」
あ。
隣を見ると、みのりがニヤニヤ怪しげな笑みを浮かべていた。
「ついに一花も認めたかぁ。今までは興味なさそうだったクセにぃ~」
「べっ…別に、元からイケメンだとは認めてたじゃん」
性格は最悪だけどね!
「え~?そうだっけ?」
「いいからもう行こうよ」
「やだ、もうちょっと~」
…しまった。つい頷いてしまった。
でも本当に。その性格はともかくとして。
…かっこいいな…
「いけ~玲!」
そう声をあげたのは水川だ。どうやら天王子と同じチームらしい。
ゴール前。
ディフェンスを鮮やかにかわし、シュートの体勢に入った天王子とバチッと視線がぶつかった。