愛されプリンス½
帰りのSHRも終わり、部活に行くというみのりと別れて昇降口に向かった。
みのりは調理部に入っている。といっても活動は月に一回あるかないからしいけど。
上履きからローファーに履き替えて外に出ると、校門前に長い行列を作っている女子たちが見えた。
放課後恒例。プリンスお見送りの行列だ。ほんと、毎日ご苦労なことで…
ブー、とポケットに入れていたスマホが震えた。
取り出して開くと、樹くんからライン。
【今度、よかったら二人で遊びにいかない?】
…樹くんとはなんだかんだでずっと連絡を取っていたけど。
何これ…二人でってことは…もしかして…
突然のデートの誘「おいっ!!」
グイッと乱暴に引っ張られた腕。グルンと反転する視界。
目の前には広い背中。
「誤解すんなよ」
私を校舎の影につれこんだ天王子が、私を睨みつけ低い声を出した。
「…は?」
「は?じゃねーよとぼけんなっ」
とぼけるも何も、わけが分からない。突然現れて、突然こんなところに引っ張り込まれて。
なんか怒ってるみたいだし。