愛されプリンス½





帰りのSHRも終わり、部活に行くというみのりと別れて昇降口に向かった。


みのりは調理部に入っている。といっても活動は月に一回あるかないからしいけど。



上履きからローファーに履き替えて外に出ると、校門前に長い行列を作っている女子たちが見えた。


放課後恒例。プリンスお見送りの行列だ。ほんと、毎日ご苦労なことで…




ブー、とポケットに入れていたスマホが震えた。



取り出して開くと、樹くんからライン。





【今度、よかったら二人で遊びにいかない?】





…樹くんとはなんだかんだでずっと連絡を取っていたけど。



何これ…二人でってことは…もしかして…




突然のデートの誘「おいっ!!」





グイッと乱暴に引っ張られた腕。グルンと反転する視界。



目の前には広い背中。






「誤解すんなよ」





私を校舎の影につれこんだ天王子が、私を睨みつけ低い声を出した。




「…は?」


「は?じゃねーよとぼけんなっ」




とぼけるも何も、わけが分からない。突然現れて、突然こんなところに引っ張り込まれて。



なんか怒ってるみたいだし。







< 190 / 420 >

この作品をシェア

pagetop