愛されプリンス½
「お前…今日の体育見てただろ」
「体育…?」
言われて思い出した。
そういえば今日、天王子の授業してるところ見てたんだった、みのりと。
私に気付いてた…ってことは、やっぱり目があったと思ったのは気のせいじゃなかったのかな。
「それが?」
「違うからな!」
「…はい?」
「あのとき俺がシュート外したのは逆に奇跡っつーか、ミラクルっつーか、たまたまだ、たまたま!」
「…はぁ…?」
何やら焦ったように捲し立てているけど、どうしよう。全く話が見えない。
「あの…天のう「言っとくけど俺は超絶サッカーうまいから!つーかスポーツは何でもできるんだけど?ほんと、顔もよくて頭もよくて運動神経抜群って、神様も罪なことするよな~」
私の話を全く聞こうとはせず、フッ…とアンニュイなため息をつく天王子。
うっとおしい。
何これ、自慢するためにわざわざ私のことつかまえたの?
「…どうでもいいけど早く帰れば?」
「は!?どーでもいいって何だよ!」
「だって女の子たち待ってるし」
ん、と校門を指さす。
校門の前では、女子たちが今か今かとプリンスのご登場を待ちわびていた。