愛されプリンス½
「わ、これ可愛い!」
思わず手に取ったスカートを見て、樹くんがふーん、と物珍しそうな声をあげた。
「一花ちゃんってこういうのが好きなんだ」
「え、なに、変かな?」
「全然?可愛いじゃん」
ふわっと笑う樹くん。
お、おお…
「…どうしたの?」
黙ってスカートを戻した私に樹くんは不思議そうな顔。
「え、いや、別に?」
言えない。
不意打ちの可愛いって言葉になんか照れちゃって☆とか絶対言えない。
可愛いのはあくまで“スカート”だから!照れる要素とかどっこにもないから!
「あっ、隣のお店も見ていいかな?」
「うん、もちろん」
なんだか気恥ずかしくてその店を出た私に、樹くんは快くついてきてくれた。