愛されプリンス½





「なに君」


「通りすがりの者ですけど!嫌がる女の子無理やりどこに連れてく気ですか!?」


「あ?君に関係ないでしょ。俺たち今この子と喋ってんの」




グイッと無理やり女の子の肩に手をまわすチャラ男その1。


女の子の肩がビクッと跳ねる。




「ちょっと勝手に触らないでよ!?」



その手を渾身の力で女の子から引き剥がした。



ていうか、今気づいたけどこの女の子、めちゃくちゃ可愛い。



たぶん年齢は私と同じくらいなんだろうけど、顔の作りが違いすぎて悲しくなる。


パッチリ二重の大きな瞳に長い睫毛、茶色くて猫毛の柔らかそうな髪の毛、ぷっくりピンクの唇。


まるでお人形さんみたいだ。



このチャラ男たちがナンパしたくなる気持ちも分かるけど、無理やりはよくない!女の子めちゃくちゃ怯えてるし!




「うっせぇなぁ、このブス」




それまでニヤニヤしていたくせに、突如豹変したチャラ男その2がチッと舌打ちをする。



「お前なんて誰もナンパしねーし、引っ込んでろブスが」



ブッ…ブスだと!?



「は!?あんた達こそジャガイモみたいな顔してますけど!?こんな可愛い子ナンパできるほど自分がイケメンだと思ってるわけ!?鏡をよ~く見て出直してきな!!」



沈黙。


チャラ男1・2が唖然とした表情で私を見ている。



や、やばい。


ブスとか言われてキレてしまった。つい、誰かさんの顔が浮かんで…!






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