愛されプリンス½
「チッ、やべー逃げろ!」
チャラ男その1・2は樹くんを乱暴に突き放すと、私たちをきつく睨みつけ走り去っていった。
「こら!待ちなさい君たち!話を聞かせなさーい!!」
警備員さんがそれを追いかけていく。
…一件…落着?
ホッと胸を撫で下ろしていると、
「あの!!」
ガシッと突然手を握られた。
見ると、私の10センチ下で、女の子がうるうると潤ませた瞳で私を見つめている。
「助けて頂いてっ…ありがとうございました!」
「い、いえいえ。大丈夫?」
「はいっ私は…!あ、あの、私のせいであなたの方が乱暴を…!」
「あー全然大丈夫!ちょっと胸倉つかまれただけだし!ほんと、可愛いと大変だね」
普段から「可愛くなりたい」と思ってるけど、可愛い子も可愛い子で大変なんだな。