愛されプリンス½





「チッ、やべー逃げろ!」




チャラ男その1・2は樹くんを乱暴に突き放すと、私たちをきつく睨みつけ走り去っていった。



「こら!待ちなさい君たち!話を聞かせなさーい!!」



警備員さんがそれを追いかけていく。





…一件…落着?




ホッと胸を撫で下ろしていると、





「あの!!」




ガシッと突然手を握られた。



見ると、私の10センチ下で、女の子がうるうると潤ませた瞳で私を見つめている。




「助けて頂いてっ…ありがとうございました!」


「い、いえいえ。大丈夫?」


「はいっ私は…!あ、あの、私のせいであなたの方が乱暴を…!」


「あー全然大丈夫!ちょっと胸倉つかまれただけだし!ほんと、可愛いと大変だね」



普段から「可愛くなりたい」と思ってるけど、可愛い子も可愛い子で大変なんだな。






< 205 / 420 >

この作品をシェア

pagetop