愛されプリンス½



それから、プリンスを前にいつもに増して上機嫌で喋りまくるお母さんと、そんなお母さんの話をずーーっと笑顔で聞いているプリンスと、そんなプリンスを睨みつけつつご飯をかきこむ私という、一見穏やかな夕食の時間が過ぎていった。



「本当、ビックリだわ~。まさかお隣さんが一花の同級生で…しかもこんなにイケメンくんだったんなんて♡」


お母さんがウットリと頬に手を当てプリンスを見つめる。

ニューヨークのお父さーん!今あなたの配偶者がよからぬ目で男子高校生を見つめていますよー!!


「いやぁ、僕の方こそビックリですよ」


プリンスがミネストローネを運ぶ手を止め、体ごとお母さんの方を向く。


「まさかお隣が一花さんちで…しかもそのお母さんが、こんなに若くて美人だったなんて」

「いやだっ、まぁ~~っ!!♡」



あれ、もしかしてここどっかのホストクラブ??この人ナンバー1ホスト??



念のため辺りを見渡してみたが、ここは歌舞伎町のホストクラブなどではなく、我が家のリビングで間違いなかった。


目の前にはプリンスのお世辞に明らかにテンションが上がっているお母さんと、そんなお母さんを前に完璧な笑顔を崩さないプリンス。



あぁ…地獄絵図だ。(二度目)




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