愛されプリンス½
「ていうか。何で今日わざわざ私に資料集なんて借りにきたの!?」
「言っただろ。家に忘れたんだよ」
「そうじゃなくて!何でわざわざ私なのって話!おかげであの後大変だったんだからね!?クラス中の女子に問い詰められて!」
今日の朝偶然昇降口で会ったときに、たまたま貸す流れになってしまったっていう苦しい言い訳しかできなかったし、絶対まだみんな不審がってる。
「どうしてくれんの!?また九条先輩に呼び出されでもしたら!」
「…別に。言ったろ、また俺が守ってやるって」
「そういう問題じゃなくて!もう、わざわざ波風たてるようなことしないでよね…!」
私が求めているのは平穏!平穏平和なスクールライフ!
ドカッとベッドに腰かけると、寝転んでいた天王子が気怠そうに体を起こした。
「…何でそんなに怒ってんだよ」
「あんた、今の私の話聞いてた?」
「この俺が守ってやるっつってんじゃん」
天王子がグイッと私の腕を引っ張り、自分の方に寄せた。
「何でお前は…お前だけは、俺に興味ないわけ?」