愛されプリンス½



「挨拶に行ってもなかなかいないから、住んでないんじゃないかと思ってたのよぉ。今朝偶然ゴミ捨て場で会えてラッキーだったわぁ♡」



頰を上気させたお母さんは機嫌よく話し続ける。



「すみません。最近ずっとモデルの仕事で家空けることが多かったので。でもやっと落ち着きました」


「それそれ!スマホでさっそく検索したらすごい人気なのね!♡画像何枚か保存しちゃった♡」


「はは、ありがとうございます」




キラキラしたその笑顔は、前から少し胡散臭いなぁとは思っていたけど…今は胡散臭さしか感じない。



「それにしても大変でしょ?モデルの仕事もあるのに一人暮らしなんて」


「えっ一人暮らし?」



それまで黙って二人の話を聞いていた私だったが、そこで初めて反応してしまった。



だって一人暮らしって、高校生で?



「そうよぉ、玲くん一人暮らししてるのよぉ。なんでもご両親、仕事の都合で今海外にいるんですって」


「へぇ…」



なるほど。

ま、別に私には関係ないしどうでもいいけど。



グタランのおかわりをお皿によそおうと、手を伸ばした時だった。



「よかったら玲くん、毎晩うちにご飯食べにくるっていうのはどう?♪」



お母さんがそんな爆弾発言を落としたのは。



…はい!?




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