愛されプリンス½
14♡大っ嫌い!
「一花、これ玲くんに持っていって♡」
今日の夕飯は私の大好きなハンンバーグ。
いただきま~す!とさっそく手を合わせたところで、お母さんから待ったがかかった。
「持っていってって…何これ?」
お母さんの手にはコンパクトな土鍋。
桜の花が書いてある可愛いデザイン。
「実は、今日買い物帰りに偶然玲くんに会ってね、夕飯に誘ったんだけど体調悪いからって断られちゃって。
だからお粥作ったの♡これだったら、食欲なくても食べられるでしょ?♡」
彼女かよ。
いや、それにしても体調悪いって…。
今日、屋上で会ったときは全然そんな素振りなかったけど…?
「だからこれ、持って行って!あ、あとこれと、これもね!」
私に土鍋を押し付けると、その上から更に冷えピタシートやらアイスノン枕をのっけてくるお母さん。
そして極め付けのウインク♡
「ついでにきっちり看病してきなさい♡あ、風邪がうつるようなことは、ほどほどにね♡」
何言ってんだこの人。
「…何で私が奴のためにそこまで」
「冷たいこと言わないの!玲くんには常日頃お世話になってるでしょ?」
「いや全くお世話になった覚えはないけど」
「いいからほら!早くいってらっしゃい!」
お母さんに背中を押され、渋々玄関に向かった。
まぁ確かに、様子はおかしかったから、少し気になるといったら気になる…し。少しね。