愛されプリンス½
樹くんすごく驚いてるし…!これは絶対違うやつだよね、思いもよらないことを言われて驚いてる顔だ!
わーっ恥ずかしすぎる…!一体どこまで自意識過剰なの私…!?
「や、あの…!ごめん間違えた!今のは忘れて「好きだよ」
「………え」
樹くんの痛いくらい真剣な瞳が真っすぐに私を射抜く。
「一緒にいると楽しくて、優しくて正義感が強くて…できればずっと一緒にいたいと思ってる。俺と、付き合ってください」
「…………えぇ!?」
私のことを…好き!?付き合ってほしい!?
「そ、それは、人間として好きとかそういう…」
「違うよ」
「付き合ってっていうのは買い物とか映画とかそういう…」
「違うよ」
樹くんが一歩、距離を詰める。
握られている手が熱い。
…一体、どっちの温度なんだろ。
「一花ちゃんに、俺の彼女になってほしい」
真っ直ぐな言葉がそのまま心臓に刺さる。
ドク、と体に響いた。
「…え…えっと…その…」
村田一花、17才。
彼氏いない歴=年齢。
告白したこともなければされたこともない。
恋愛の仕方なんて、学校で教わってきてません!