愛されプリンス½




樹くんすごく驚いてるし…!これは絶対違うやつだよね、思いもよらないことを言われて驚いてる顔だ!


わーっ恥ずかしすぎる…!一体どこまで自意識過剰なの私…!?



「や、あの…!ごめん間違えた!今のは忘れて「好きだよ」



「………え」




樹くんの痛いくらい真剣な瞳が真っすぐに私を射抜く。




「一緒にいると楽しくて、優しくて正義感が強くて…できればずっと一緒にいたいと思ってる。俺と、付き合ってください」


「…………えぇ!?」




私のことを…好き!?付き合ってほしい!?




「そ、それは、人間として好きとかそういう…」


「違うよ」


「付き合ってっていうのは買い物とか映画とかそういう…」


「違うよ」



樹くんが一歩、距離を詰める。


握られている手が熱い。



…一体、どっちの温度なんだろ。




「一花ちゃんに、俺の彼女になってほしい」



真っ直ぐな言葉がそのまま心臓に刺さる。


ドク、と体に響いた。



「…え…えっと…その…」



村田一花、17才。


彼氏いない歴=年齢。


告白したこともなければされたこともない。



恋愛の仕方なんて、学校で教わってきてません!




< 238 / 420 >

この作品をシェア

pagetop