愛されプリンス½
「えっと…あ、あの…」
フッ、と樹くんが笑った気配がした。
「…樹くん?」
「ごめん、困らせて。大丈夫だよ、俺焦ってないから」
ツ、と樹くんが握ったままの私の手を引っ張る。
「これから知ってくれればそれでいい、俺のこと。だからとりあえず…今日は俺と、お茶してください」
「…樹くん」
…優しいな。
「…じゃぁ…駅前にティラミスがすっごく美味しいカフェがあるんだけど、そこでもいい?」
「うん」
「甘さ控えめだから、樹くんも食べれると思う!」
「はは、ありがと」
樹くんみたいな人と付き合ったら、きっと幸せなんだろうな。