愛されプリンス½
「べっ、別に赤くなんてしてないよ!」
「バカか。お前分かりやすいんだよ」
天王子がグイッとベッドに座ったままの私の腕をつかむ。
そして眉をひそめて私の顔を覗き込んできた。
「…もしかして告白でもされた?」
「……っ!?」
図星!
「…やっぱりな」
何も言っていないのにそう断定した天王子は、乱暴に私の腕から手を離した。
「で?」
「…で?」
「なんて返事したんだよ!?」
…なぜか分かんないけど、今日の天王子はいつもに増してすこぶる機嫌が悪い。
「……そ、そんなの天王子に関係な…」
「お前あいつのこと好きなの?」
「だからそれは」
「俺のことは大っ嫌いなくせに、あいつのことは好きなのか!?」
…もしやこいつ、
こないだ私が言った“大っ嫌い”を根に持っている!?
なんかムカついてきた。
何で私がこんなに、一方的に責めるみたいな口調で。なんにも悪いことしてないのに!
「そりゃぁ好きだよ!あんたに比べたら、大大大好き!」
「…は?お前…」
ピクリと天王子の形の良い眉が動く。
「…ふざけんなよ?」
「ふざけてないよ、本気」
「…じゃぁアイツと付き合うの?」
「そうだね、樹くん優しいし大人だし、きっと付き合ったら幸せにっ、」
グイッと突然腕を引っ張られたと思ったら強く抱き寄せられた。
閉じ込めるみたいに背中に腕がまわる。
いつもよりも乱暴なハグ。
「……それは無理」
ボソリと、耳元で天王子の声がした。
「お前は俺のもんだろ」