愛されプリンス½



「や、やっぱりって何が…!!」


「お前さぁ」



プリンスが私を見て、クイッと口角をつりあげる。いつもの善良なプリンスとは違う。何か楽しいことを思いついた悪魔みたいな顔だ。


「俺に協力しろ」

「…は?な、なに協力って」

「なぜかお前にだけは触れんだよ、俺」



………は?



ちょ、ちょっと待って。さっきからこの変態プリンスの言っている意味が何一つ分からないんだけど。



「あ、あのさぁ…文脈って知ってる?」


「ま、何で大して美人でもないお前だけ平気なのかはこの俺にも謎なんだけど」



ダメだ。人の質問には全く答える気ないよ、この人。



じとっとした私の視線には気付くことなく、どこか憂いを帯びた表情でプリンスが続ける。



「お前にだけは、触っても、触られても、なぜか蕁麻疹出ねーんだよ」


「…へ?蕁麻疹?」


「フン…仕方ねーからお前には教えてやるよ、俺のトップシークレット」



プリンスが気怠そうに、コキ、と首を鳴らした。



「俺は女アレルギーだ」



お、女…アレルギー?





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