愛されプリンス½










「ねぇ」


「………」


「無視ですか」


「………」


「おーい」


「………」


「あの「うるせぇな今瞑想中なんだよ黙ってろ」




「瞑想なら自分の家帰ってやってくれるかな!?」



そんな私の言い分は絶対に間違ってないはずだ。



だが、今日も人のベッドを独占している天王子は、ギロリと不機嫌に私を睨みつけてきた。



「お前みたいな一村人と違って俺は色々考え事が多いんだよ」


「あっそうですか!それは天下のプリンス様は大変ですこと!」



まーな、と頷く天王子はもしかして私の嫌味に気付いていないのだろうか。

もしやこいつ、私が思っているよりバカなのかもしれない。



「何でもいいけど用ないなら早く帰ってよ?」


「何でお前にそんなこと言われなきゃいけねーんだよ」


「ここが私の部屋だからです!!」




今日の天王子はおかしい。



夕飯後、私の部屋に来るのはまぁいつも通りだとしても、ずっと何も言わず、黙りこくったまま。



しかも機嫌もあまりよろしくなさそうだ。






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