愛されプリンス½
「あーもう…」
私は天王子を帰らせることを一旦諦めて、学習机に数学の課題を広げた。
今日は数学の課題がたっぷり出ている。
天王子と違って、呑気にボケッとしている時間は、今の私にはないのだ!
右手にシャーペンを持ち、問題に取り掛かり始めたのはいいものの。
「うーん…」
さっぱり分からない。
私は元々数学が苦手だ。今やってる単元は特に苦手!
頭を悩ませていると、
「…お前そんな基本問題もわかんねーの?やっぱバカだったか」
耳元で人をバカにする声がする。
いつの間にベッドから立ち上がったのか、天王子が私の課題を覗き込んでいた。