愛されプリンス½




俯いていて天王子の表情はよく見えないけど、なんだか本当に具合悪そうにも見える。


もしかして、私の部屋でずーっと黙りこくってたのも、体調が悪かったからとか!?



「ちょっと大丈…」


「お前マジでキモい。うざい。すっげー嫌い」



2秒前までの私の心配を返せ。



天王子が顔を歪めて私を見てる。


わざわざ言葉にしてもらわなくても伝わるよ。




…私のこと、本当に嫌いなんだね。





「私だって嫌いだから!」



フンッと顔を背けてやった。


なんかよく分からないけど、すっごくムカついている。



「お互い嫌い同士なわけだし、これからはもう関わるのやめない?あんただって、仕方なく私と…っ!?」



突然強い力で押し倒された。グルリと反転する視界。ボスッと倒れ込んだ布団の感触。



…私を組み敷く、天王子の熱のこもった、射抜くような、鋭い瞳。




「…ほんっとムカつく女」






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