愛されプリンス½




「自分でも原因は分かんねーよ。
ただ、昔っから女に触ると全身に蕁麻疹が出んだよ」


イラついたように、自分のその整った髪の毛をクシャクシャにするプリンス。


「…だけど」


プリンスが顔をあげて、その瞳に私をうつした。



まっすぐに。



「お前だけは大丈夫。お前といれば、なにか克服する方法が見つかるかもしれねー」




…整理しよう。


プリンスは女アレルギー。


そして私だけにはなぜか、その女アレルギーが発動しない。


ということで、私に協力しろと言う。



うんうん、なるほどね。理解できたぞ。理解はできたけど



「無理っっ!!」



両手で大きくバツ印を作った私に、プリンスがその形の良い眉をひそめた。



「は?なんでだよ」


「だ、だって協力とかっ…なんか、いかがわしい香りしかしないしっ!」


「はぁ?何想像してんだよ変態」


「変態はアンタでしょ!?」


「つーか、うぜぇんだけど」



ドンッ!と勢いよくプリンスが私の顔のすぐ隣に手をついた。


グッと鼻が触れそうな距離で凄んでくる。


…極上に良い顔が、凄まじい色気を漂わせていた。



「お前ごときが俺を拒否?笑わせんなよ村人E」

「むっ…!?」


村人E!?ABCDを差し置いて、E!?





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