愛されプリンス½
「いや留守って…いるじゃん!そこに!」
天王子は相変わらず、ファンの女子たちと上品な笑顔でご歓談中だ。
「だよなぁ」
山村くんも同意した。
「でも仕方ねーじゃん、そう言われたんだから。お前嫌われてんじゃね?」
「私だって嫌いだよ!!!」
「知らねーよ。言っとくけどもう行かねーからな、あんな地獄。すっげー女子に睨まれてライフ削られまくりだっつーの」
山村くんは役目は果たしたとばかりにヒラヒラ手を振って、さっさと教室の奥に引っ込んだ。
くっ…天王子め。
私は堂々と居留守を使い猫かぶり笑顔を浮かべる天王子を睨みつける。
“もう関わらない。じゃーな”
そっちがその気なら、私だって…!
なんとかして、伝えてみせる。