愛されプリンス½
こうなったら…
最後の手段。
作戦③だ。
私は帰宅後、天王子の家の前で張り込むことにした。
ターゲットを捕まえられないのなら、捕まりにくるまで待つしかない、というわけだ。
季節はもうすぐ初夏を迎えようとしている。
だけど今日は気温がいつもより低いこともあり、日が沈むと七分袖では少し寒かった。
腕を擦りながら天王子を待つ。
待つこと1時間、2時間―――
「…い、おいっ!一花!!」
誰かに肩を乱暴に揺すられている。
目を開けると、険しい顔をした天王子の顔が、すぐ目の前にあった。
「…天王子?」
「…生きてた」
ホ、と息を吐き出した天王子が、チッと不機嫌そうに舌打ちをする。
「おまえ…バッカじゃねぇの!?何こんな所で寝てんだよ!?死んでんのかと思っただろうがっ!!」
そして怒声。
どうやら本気で怒っている。
「ご、ごめん…」
反射的に謝りつつ、徐々に意識がクリアになってきた。
そうだ私、天王子の家の前で張り込んでたんだ。
でもなかなか帰ってこないから、疲れて座り込んじゃって、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。